• 設立趣旨

     政府は日本の成長戦略として、クールジャパン推進会議を設置し、漫画、アニメ、音楽などのコンテンツ産業を海外に輸出する戦略を打ち出していました。議連設立当時、ゲーム産業は、日本から輸出されるコンテンツ総額の約9割を占めていましたが、その存在は未だ認識されておらず、政府が主催するクールジャパン関連の会議の構成員にすらなれませんでした。否むしろ、子供の勉強を邪魔するものとして、ゲームを害悪視する傾向も強く、ゲーム産業は日陰者のとして扱われていました。


     こうした状況を打破し、クールジャパン戦略の骨格をなす産業として、ゲームの健全な育成と発展を図ることを目的として、オンラインゲーム議員連盟が設立されました。日本が生み出すオンラインゲームは、世界中で大変人気があり、輸出のポテンシャルが極めて高いコンテンツです。こうしたゲーム業界が持つ可能性を伸ばし、クールジャパンコンテンツを世界に展開していくことで、日本のプレゼンスの向上と経済の活性化を推進することを目指していきます。


     特に、日本の制度や法規制が足かせとなり、日本のゲームメーカーが外国の競合企業と互角に戦えない状況が散見されます。こうした現状を改革し、日本の企業が世界で勝ち抜くための、イコールフッティングの環境を整備することを実現して参ります。


     また、ゲームを用いた対戦競技として“eスポーツ”が世界的に流行し、日本においても競技人口が爆発的に増加しております。しかし、eスポーツという新しい文化を取り巻く環境は、未だ整備がなされていない点が多々あり、その運営に支障をきたす事態が散見されます。本議連でも、プロeスポーツ選手へのアスリートビザの発給を認めさせたり、競技大会での賞金が景表法に抵触しないスキームを明確にしたり、選手の練習場が風適法に抵触しないスキームを明確にするなど、様々な問題に対して行政側と事業者側の調整を図って参りました。


     eスポーツは、学校の部活動にも取り入れられ、“eスポーツ甲子園”と言った高校生の全国大会が開催されるなど、新しい“スポーツ”として、学校の現場での活用も進んでおります。国際大会でも、アジア大会の公式競技として2022年の杭州大会からeスポーツが正式に採用される予定です。


     オリンピックの競技としての検討も始まっているようでありますが、今後益々、日本におけるeスポーツの健全な発展に向けて、取り組んで参ります。